• 4名無しさん
    2017/06/18(日) 06:27:23 ID:./zvGPjsO
    母親が二人

    子供の頃の話。
    当時の僕は、二階建ての借家に住んでいた。
    両親共働きで、母親も日中は仕事をしていたから、僕が学校から帰っても家には誰もいないことが多かった。
    ある日のこと。
    その日は、学校から変えるのが遅く、家についたときは夕方だった。
    家の中は、暗い。
    でも、この時間だからお母さんが帰ってきている可能性は無くはない。
    念のため、
    「お母さーん!」と呼びかけてみると、二階からか小さな声で
    「はあーい・・・」
    と、返事が聞こえてきた

    あれ、お母さん帰って来てる?
    もう一度、呼んでみた。
    すると、「はあーい。」
    と返事が聞こえる。
    気のせいではないようだ。
    二階へ上がる。
    階段を上がり、もう一度母を呼んだ。
    すると、奥の部屋から「はあーい。」と、声が聞こえる。
    奇妙な胸騒ぎがする。
    でも、母に会いたい気持ちが強く、僕は奥の部屋へゆっくりと近づいた。

    そのとき。
    一階で、玄関の扉を開ける音がした。
    そして、母が慌ただしい様子で、買い物袋と共に帰ってきたのが分かった。
    同時に、
    「しゅんすけー?帰ってるー?」
    という母の明るい声が、僕に飛び込んでくる。
    その声を聞き元気になった僕は、階段を駆け下りた。
    階段を降りる前に、一瞬だけ、奥の部屋にふと目をやった。
    すると、奥の部屋の扉がギィーと小さく開き、扉の隙間から奇妙なモノが見えた。
    それは、こちらを見ている・・・真っ白い人の顔だった。
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