• 36NEUROSE
    2018/08/19(日) 12:51:24 ID:.Jzhbk720

    我家は子作り断念シテイマス。。。
    (●ω●)yー・゚゚

    『家紋』

    Hさんという人が、M市の大家に嫁入りした。それから二年ほど経った夜のこと。床についてウトウトしてきたころ、どこからともなく霧が出てきて、たちまち部屋に立ち込めた。

    その時(あっ、生理が来るな)と思ったそうだ。不思議にこの家に嫁いでからというもの、毎月生理の前に霧の夢を見ていたからだ。ところがこの日に限って霧の向こうから、じゃり、じゃり、じゃり、と何者かが玉砂利を踏みながら歩いてくる音がする。(畳の部屋なのに)と思っていると、目の前の霧が晴れた。

    そこには時代劇で見るような 裃(かみしも)に袴姿(はかま)、帯刀したひとりの侍が立っている。「そちは孕んでおろう。こちらによこせ」という。Hさんはあまりのことに口がきけなかった。「当家の世継ぎがおる!」妊娠などしていない。しかし子供をよこせという言い分には素直に腹が立ったので、「いません」と突っぱねた。

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