• 37NEUROSE
    2018/08/19(日) 12:52:45 ID:.Jzhbk720
    「いや、おる、さしだせ」そんなやりとりが続いた。すると侍は、「うるさい」と言って、さっと腰の刀に手をかけた。Hさんは夢だと思っていたので、強気になっていた。「いいかげんにしなさいよ。私が知らないのに、どうしてあんたが知ってるの? どうして私の子供が欲しいのよ」などとつづけざまに侍を罵倒したためか、侍は刀に手をかけたまま少しひるんだ。

    「何よ、斬る気?斬れるものなら斬ってみなさいよ」と枕を投げつけた。その瞬間、また霧が立ち込め、やがて霧の中で侍は後ろを向くとそのまま霧と一緒に消えた。気がつくと、真っ暗な部屋で布団の上に座っていた。

    義母が「どうしたの?」と部屋へ入ってきた。聞けば義母は、大声が聞こえてきたので何事かと心配してのぞきにきたが、部屋からは大勢の人が河原で砂利を踏むような音がする。


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