• 38NEUROSE
    2018/08/19(日) 12:53:32 ID:.Jzhbk720
    どうしようかと迷っていると、バンという音がして気配が消えたので入ってきたという。そして足もとの枕を拾ってくれた。

    「何があったの?」と義母にたずねられた。怒りのまだ収まりきらないHさんは、夢の一部始終を話した。すると、義母の顔色がみるみる変わっていった。「家紋は、家紋は見ましたか?付いていたはずですよ」という。Hさんには自分の話と家紋に何の関係があるのかわからなかった。

    しかし"当家"と言った侍の裃には、確かにこの家と同じ家紋が入っていた。もっと変だと思ったのは、去って行く侍の背中にはなぜか家紋が入っていなかったことだ。

    三カ月後、Hさんは妊娠していることがわかった。やがて男の子を無事に出産した。何かの折りに親戚の人が「はじめての子供が流れないのは、本当に珍しい」と言っているのを小耳にはさんだ。
    0 0

北海道

沖縄

人気の記事