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しかし1989年11月9〜10日のベルリンの壁崩壊により東西ドイツの統合が実現した後それらの情報は徐々に明らかにされていきました。
その手始めがドイツからでした。
東ドイツ軍が保有していた兵器類は使えそうな有用な兵器のみ内部の機器類を西側仕様に変更し安全規準を上げたうえで西ドイツ軍側に吸収合併されることになりました。
その際に東ドイツ軍が保有していた比較的新しい装備であったMiG-29フルクラムが注目され西側仕様に変更される前に西側製戦闘機との模擬空中戦が行われることになり願ったり叶ったりだとアメリカ軍は大喜びで模擬空中戦に使う戦闘機とその要員を用意したといいます。
そして注目の模擬空中戦では自信満々だった西側諸国空軍関係者の期待を大きく裏切りなんとほとんどの場合MiG-29フルクラムが西側製戦闘機をコテンパに撃墜するという結果になってしまいました。
西側関係者には衝撃が走ったといわれています。
西側製戦闘機より後から完成した新しさによる空力設計の良さとパワーのあるエンジンによる機動性の良さももちろんありましたがそれまでの西側製戦闘機の考え方とはまた違うソ連独自のシステムによるところが有効に働いていました。
それは機首に固定装備されたIRST(赤外線捜索追尾システム)とそれに連動して使えるHMD(ヘルメットマウントサイト)による敵機を自在にロックオン出来る視界の広さにありました。
これによりレーダー照射を行うことなく赤外線で捜索追尾照準されてしまうため西側製戦闘機のパイロットたちは何が起こったのかわからないうちに撃墜されていきました。
しかし赤外線ですから目視で見える程度に近距離での接近戦の場合のお話であり後年世界各地(中東など)の空で起きた空中戦の実戦ではMiG-29フルクラムは西側製戦闘機に大敗してばかりでした。
原因は地上レーダーや空中早期警戒管制機などとの連携の有り無しが大きく作用しているといわれています。
それにしてもレーダーの他にIRST(赤外線捜索追尾システム)とHMD(ヘルメットマウントサイト)を活用するソ連独自の戦い方は西側諸国空軍に大きな影響を与えたのも事実でした。
これらの装備化を考える国々も増えました。
MiG-29フルクラムとF-16Cファイティングファルコンがクラス的には同クラスなので
・MiG-29フルクラムとF-16Cファイティングファルコンの比較図。
・飛行中のドイツ空軍MiG-29フルクラムとアメリカ空軍F-16Cファイティングファルコンの写真。
・R-27(AA-10アラモ)空対空ミサイルを発射するドイツ空軍のMiG-29フルクラムの写真。
を貼ります。