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このアメリカの強力な戦闘機群に対し是が非でも優位に立てるような戦闘機を目指して開発されたのが旧ソ連が総力を結集して開発したMIG-29フルクラムとSU-27フランカーでした。
アメリカよりも後発であることや旧ソ連崩壊に伴い西側の技術がさまざま流入したことなどと相俟って強力な戦闘機に仕上がりました。
そして軍備にばかり総力を注ぎ続けて来たソ連では外貨獲得の手段をあまり持っていなかったためロシアになってからはMIG-29とSU-27を外貨獲得の有効な手段の柱として輸出に力を入れました。
最初はMIG-29の方が売れていましたが今では大型だった分汎用性に優れたSU-27系戦闘機が輸出の柱となっています。
その後ステルス技術が一般的に知られる時代となった今では後付けのステルス技術を少々加え在来機と本格的なステルス戦闘機との間を埋めるような存在として位置付けられるまでに成長しました。
中国では大量に保有している旧ソ連系の旧式戦闘機を新型戦闘機に更新するために自力開発を目指しましたがあまりうまくいかず主力にする新型戦闘機としてはSU-27系戦闘機の輸入やライセンス生産でまかなおうとしています。
同時進行で勝手な無許可コピーも平気でやってますけど。
これに怒ったロシアでは新たな輸出やライセンス生産の契約の際には許可する生産機数を限定しこれを破った場合や無許可コピーをした場合は巨額の違約金を中国に払わせる内容を盛り込んだ契約を結んだようです。
ロシアにとっての中国とは兵器を買ってくれる良いお客であるものの常日頃から技術を盗もうと企んでいる盗っ人のような存在でもあるといえます。
だから中国のことはあまり信用していないのです。
1980年代の末からは海洋進出活動を活発化させ始めた中国では南シナ海と東シナ海での艦隊防空と艦船攻撃を担う航空戦力を必要としました。
自前で開発しようとしましたがうまくいかず結局ロシアからの輸入に頼る道を選ぶしかありませんでした。
そうしてSU-30MKKを38機、追加であと38機の合計76機輸入する契約を結びました。
中国が欲しかったのは航続距離が長く精密攻撃が出来る複座の戦闘攻撃機でした。
ロシアのスホーイSU-30Mとは複座型のSU-27UBを攻撃機型に改造したもの(アメリカ製でいえば複座型F-15Dイーグル戦闘機を改造したF-15Eストライクイーグル戦闘攻撃機のような存在です。)でMの後に付くKは輸出型で末尾のKは中国向けという意味の名称です。
ロシアがステルス戦闘機T-50を共同開発している共同開発国であるインドに輸出しているSU-30MKIの場合はカナード翼も推力偏向ノズル付きエンジンも搭載していて性能もあまり落としていませんが中国向けのSU-30MKKの場合はカナード翼も装備されず推力偏向ノズルも付けていませんし電子装備など全般的に性能を落とした劣化モデルとなっています。
それはロシアが中国を信用出来る国だとは見なしていない表れなのです。
添付画像はインド向けのSU-30MKIと中国向けのSU-30MKKです。