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(イギリスの国防相はロシア唯一の空母アドミラルクズネッォフをおんぼろと表現しイギリスの新空母クイーンエリザベスをロシア政府はちょっとした羨みの目で見つめるだろうと発言。これを受けてロシア国防省の報道官は対空対潜水艦ミサイルや対艦ミサイルも装備しているアドミラルクズネッォフとは異なりイギリスの新空母はただ巨大なだけで海上の手頃な標的にすぎないと指摘、この点を踏まえると開放水域でやたらとその美しい姿をさらさない方がイギリス海軍の利益になると牽制するなどお互いの発言でバカにしあっています。)
ロシア側の発言はある意味では正しいです。
しかし搭載する航空機を含めた空母戦力として比較すると圧倒的にイギリス海軍の方が優勢です。
つまりロシア側が優勢になれるのは先制攻撃をかけることが出来た場合のみに限定されるということでありそれ以外の場合はイギリス海軍の方が新しい高性能な装備の数々によりロシア側を圧倒するということです。
イギリスもロシアも空母搭載用専用に開発された空中早期警戒管制機は持たず両国ともに艦載ヘリコプターを改造し空中早期警戒管制用として使用し、その他に対潜哨戒用ヘリコプターと救難用ヘリコプターを搭載して使用します。
ロシア海軍の空母アドミラルクズネッォフは1990年に実戦配備されたロシアが一隻だけ保有している空母戦力です。
旧ソ連→ロシア側では国際的な諸事情によりアドミラルクズネッォフのことを空母とは呼ばず重航空巡洋艦と呼んでいます。
規模は基準排水量53000t満載排水量59100tで通常動力による実質的な空母で対空、対潜、対艦ミサイル類を搭載しスホーイSu-33艦上戦闘機、スホーイSu-25UTG艦上攻撃機兼練習機、カモフKa-27対潜捜索救難ヘリコプター、カモフKa-31早期警戒ヘリコプターなど合計50機前後を搭載出来る空母です。
スホーイSu-33艦上戦闘機というのはスホーイSu-27フランカー戦闘攻撃機の派生型海軍版でスホーイSu-25UTG艦上攻撃機兼練習機というのはスホーイSu-25フロッグフット対地攻撃機の派生型海軍版です。
ロシアは自国のこの空母戦力がそんなに強力ではないことを自覚しておりそれを補う手段として艦首部飛行甲板のど真ん中に垂直発射型ミサイルシステムを埋め込みP-700有翼ミサイル複合体グラニート対艦ミサイルを12発装備しています。これはマッハ2.5で飛行し核弾頭装備型なら700km通常弾頭装備型なら550kmの射程距離を持っています。
添付資料はイギリス海軍の空母クイーンエリザベスとロシア海軍の空母アドミラルクズネツオフの写真。
アドミラルクズネツオフが装備するグラニート用垂直発射型システムの搭載部分の写真。
P-700有翼ミサイル複合体グラニート対艦ミサイルの図解。
ちなみにプチ情報。
このロシア海軍空母アドミラルクズネツオフは来年2018年から近代化改修に入る予定らしいです。
どんな改修になるのか詳細はわかりませんがメイン艦上戦闘攻撃機だったスホーイSu-33はミコヤンMiG-29の新たな改良艦上戦闘攻撃機型に入れ代わるかも知れません。
以前MiG-29フルクラム戦闘攻撃機の艦上戦闘攻撃機型MiG-29Kは艦上戦闘攻撃機選定の際にスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機に敗退し不採用になっていました。
今回はまた新たに改良し直された新型改良機みたいです。
しかし近代化改修の間はロシアの空母戦力が事実上機能しないことになります。一隻しか持っていないからですね。