日本の防衛
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湾岸戦争の際は当時まだ試作中だったE-8J-STARS ジョイントスターズ(Joint Surveillance and Target Attack Radar System)監視及び目標攻撃レーダーシステムを湾岸地域へ急遽派遣し実戦使用しました。
このジョイントスターズとは旅客機を改造し各種レーダーやセンサー類を多数搭載した支援機の一種でした。
ジョイントスターズとはE-3AWACSエーワックス(Airborne Warning and Control System)空中早期警戒管制機の対地上版と言える存在の支援機です。
これにより隠密に地上部隊が集結し敵を攻めようとしていてもそれが夜間でも砂嵐の中でも離れた上空から早期に探知出来て事前に味方部隊に連絡出来るため奇襲攻撃をしようとしていても情報は筒抜けになり奇襲攻撃を実行する前に空から攻撃を受け全滅させられました。
ジョイントスターズとは離れた上空から人でも戦車でも車でも地上で動く物全ての動きを探知出来る早期警戒機でした。
数百キロ離れた位置からでも車と戦車も見分けられるといいます。
そのため湾岸戦争ではジョイントスターズが引っ張り凧になりました。
移動式ミサイルであるスカッドミサイルを探し出す任務の依頼が多数あったからです。
ジョイントスターズはスカッド狩りの立役者となったのでした。
北朝鮮と戦争になればまた再びジョイントスターズが引っ張り凧になることでしょう。
添付資料はE-8J-STARSジョイントスターズの写真。
E-3AWACSエーワックスの写真。 -
>>31です。詳細な説明ありがとうございました。
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いいえ、いいえ、どう致しまして。
核兵器実験や弾道ミサイル発射実験の実施など他国に対する迷惑を省みない北朝鮮の横柄な発言と行動が過激化して来ている今だからこそ何か良からぬ事が起きるのではないかという不安な気持ちになるのも無理もない人間心理だと思います。
例えて言えば北朝鮮は「ゆすりたかりを繰り返すゴロツキが核爆弾を持ったような存在」ですからその心理的揺さ振りに乗せられないように気をつけながら良いものは良いダメなものはダメと毅然とした態度ではっきり言える日本でなくてはならないですね。
そのためには現実から目を逸らさないようにしっかり見ておかないといけませんね。
現実逃避をさそうマスコミの誘導報道に騙されないことが大事ですね。 -
イギリスは地理的環境からかなぜかロシア海軍が唯一保有している空母アドミラルクズネッォフを強く意識している様子です。
(イギリスの国防相はロシア唯一の空母アドミラルクズネッォフをおんぼろと表現しイギリスの新空母クイーンエリザベスをロシア政府はちょっとした羨みの目で見つめるだろうと発言。これを受けてロシア国防省の報道官は対空対潜水艦ミサイルや対艦ミサイルも装備しているアドミラルクズネッォフとは異なりイギリスの新空母はただ巨大なだけで海上の手頃な標的にすぎないと指摘、この点を踏まえると開放水域でやたらとその美しい姿をさらさない方がイギリス海軍の利益になると牽制するなどお互いの発言でバカにしあっています。)
ロシア側の発言はある意味では正しいです。
しかし搭載する航空機を含めた空母戦力として比較すると圧倒的にイギリス海軍の方が優勢です。
つまりロシア側が優勢になれるのは先制攻撃をかけることが出来た場合のみに限定されるということでありそれ以外の場合はイギリス海軍の方が新しい高性能な装備の数々によりロシア側を圧倒するということです。
イギリスもロシアも空母搭載用専用に開発された空中早期警戒管制機は持たず両国ともに艦載ヘリコプターを改造し空中早期警戒管制用として使用し、その他に対潜哨戒用ヘリコプターと救難用ヘリコプターを搭載して使用します。
ロシア海軍の空母アドミラルクズネッォフは1990年に実戦配備されたロシアが一隻だけ保有している空母戦力です。
旧ソ連→ロシア側では国際的な諸事情によりアドミラルクズネッォフのことを空母とは呼ばず重航空巡洋艦と呼んでいます。
規模は基準排水量53000t満載排水量59100tで通常動力による実質的な空母で対空、対潜、対艦ミサイル類を搭載しスホーイSu-33艦上戦闘機、スホーイSu-25UTG艦上攻撃機兼練習機、カモフKa-27対潜捜索救難ヘリコプター、カモフKa-31早期警戒ヘリコプターなど合計50機前後を搭載出来る空母です。
スホーイSu-33艦上戦闘機というのはスホーイSu-27フランカー戦闘攻撃機の派生型海軍版でスホーイSu-25UTG艦上攻撃機兼練習機というのはスホーイSu-25フロッグフット対地攻撃機の派生型海軍版です。
ロシアは自国のこの空母戦力がそんなに強力ではないことを自覚しておりそれを補う手段として艦首部飛行甲板のど真ん中に垂直発射型ミサイルシステムを埋め込みP-700有翼ミサイル複合体グラニート対艦ミサイルを12発装備しています。これはマッハ2.5で飛行し核弾頭装備型なら700km通常弾頭装備型なら550kmの射程距離を持っています。
添付資料はイギリス海軍の空母クイーンエリザベスとロシア海軍の空母アドミラルクズネツオフの写真。
アドミラルクズネツオフが装備するグラニート用垂直発射型システムの搭載部分の写真。
P-700有翼ミサイル複合体グラニート対艦ミサイルの図解。
ちなみにプチ情報。
このロシア海軍空母アドミラルクズネツオフは来年2018年から近代化改修に入る予定らしいです。
どんな改修になるのか詳細はわかりませんがメイン艦上戦闘攻撃機だったスホーイSu-33はミコヤンMiG-29の新たな改良艦上戦闘攻撃機型に入れ代わるかも知れません。
以前MiG-29フルクラム戦闘攻撃機の艦上戦闘攻撃機型MiG-29Kは艦上戦闘攻撃機選定の際にスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機に敗退し不採用になっていました。
今回はまた新たに改良し直された新型改良機みたいです。
しかし近代化改修の間はロシアの空母戦力が事実上機能しないことになります。一隻しか持っていないからですね。 -
ロシア海軍空母アドミラルクズネツオフ、就役は1991年ながら起工は旧ソ連時代の1982年であり進水は1985年で進水してから数えるともう32年も経過した古い船になります。
そのため老朽化している部分も多く老朽化した箇所の修復や旧式化した制動ワイヤー系、動力系や電子機材の新型への交換が必要とされているようです。
それとあわせて搭載する艦上戦闘攻撃機の更新も必要とされていました。
最初の搭載機選定の際はスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機とミコヤンMiG-29K艦上戦闘攻撃機が競い合い結果として前者が採用され後者は敗退不採用となりました。
しかし今回なぜなのか前回の敗者が今回は勝者となり採用されました。
新たに改良された前回とは別機と言っても良いとされています。
空母なども購入してくれている海外ユーザーであるインドが図体が大きく重い機体を嫌い割と小柄で艦上での取り回しがし易いMiG-29Kを搭載機として購入することを決めたことも影響したと思われます。
今後の販売戦略による儲けや量産効果による利益増も目論んでの話だとは思います。
それから搭載機選定の敗者となりロシア海軍に採用されないことになったミコヤンにとっては国内需要には期待出来ず生き残りのためには海外販売に活路を見出だすしか道は無くMiG-29にさまざまな改良を加えたバージョンを必死に精力的に作り続けた結果、短所とされた航続距離の短かさも専用コンフォーマルタンクの追加により解消されさまざまな搭載電子機材も最新のものに対応していると評価され見直された結果見事採用されリベンジを果たしたようです。
一説によるとスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機ではレーダーなどの電子機材が今だに機械式で古く現代戦では性能が見劣りしてきていて対艦ミサイル運用に問題があったとも言われています。
そこへきてミコヤンMiG-29の改良版は比較的最新の電子機材を精力的に搭載していたためそちらが注目された可能性も高いです。
添付資料はこれまで使用されているスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機とスホーイSu-25UTG艦上練習機兼攻撃機(さながら第二次大戦中の対地攻撃機を無理矢理ジェット化したようなクラシカルな機体です。)の写真。
新たに採用されたミコヤンMiG-29K艦上戦闘攻撃機の写真二枚(艦上で試験中)。見た目は着艦フックがあることを除けば陸上用のミコヤンMiG-35Dにそっくりです。 -
旧ソ連→ロシア海軍空母の搭載機として採用された艦上戦闘攻撃機のベースとなったのはミコヤンMiG-29フルクラムとスホーイSu-27フランカーです。
いずれも元々は陸上基地から運用することを前提に開発された戦闘攻撃機です。
ベトナム戦争から冷戦のさなかアメリカはF-14トムキャット、F-15イーグル、F-16ファイティングファルコン、F-18ホーネットと各種戦闘攻撃機を次々に開発し実戦配備を進めました。
これに危機感を覚えこれらアメリカ製新型戦闘攻撃機を打倒すべく旧ソ連が躍起になって開発した中でも有望候補となったのがミコヤンMiG-29フルクラムとスホーイSu-27フランカーの両戦闘攻撃機でした。
つまりロシアは最初から艦載機として開発したと言える機体は一度も作ったことがないということになります。
いずれにしても艦載機用に改良を加えられた両戦闘攻撃機はそれぞれ艦載機として使えることが試験によって確認されました。
しかし社会主義国とはいえ政府の側にも実際には派閥があり当時はミコヤン支持派よりスホーイ支持派が強力だったためスホーイSu-33艦上戦闘攻撃機が採用されることになりました。
第二次大戦後から旧ソ連でも何度も空母戦力構築の話は出ては消え出ては消えを繰り返していました。
本格的空母建造が遅れた理由も政府内の空母保有推進派と空母保有反対派の勢力争いの結果に大きく影響を受けていました。
陰謀や策略によって各派閥の大物が急に事故死したり病死したりして亡くなったり失脚したりして紆余曲折を繰り返しアメリカ海軍空母戦力に大きく遅れをとる結果となりました。
そういう紆余曲折の末やって手にした唯一の空母戦力がアドミラルクズネツオフということになります。
しかしなが今回の搭載機選定は資金と性能・効率を重視した結果ミコヤン派に軍配が上がったようです。
どちらも機体形状など外形的スタイリングは良く似ていますがこれは社会主義国だったから同じ流体力学研究所から研究データをもらっていたからです。
ミコヤンMiG-29フルクラムは陸上運用の前線戦闘機として開発されたため小型で設備機材が揃っていない僻地での使用が容易で整備し易いことが求められました。
一方スホーイSu-27フランカーは設備機材が豊富に整い完備された基地から運用することを前提に開発されたため大きく重く整備性も複雑なものとなっています。
高い実用性vs高性能といったところです。
どちらを採るか選択したということでしょう。
添付資料はミコヤンMiG-29フルクラムとスホーイSu-27フランカーを比較した三枚です。
こんなに大きさが違います。
大きな海外ユーザーであるインドがミコヤンMiG-29Kを選んだわけが見えて来る気がします。 -
時代を遡ると旧ソ連では空母建造についての知識は全く無く元をたどればナチスドイツの未完成空母を手に入れたところから始まります。
群を抜いて世界をリードする軍事技術を持ち続けて来たドイツですが全てにおいて時代のタイミングが悪かったのか第一次大戦の時代から空母戦力保有の考えは有ったものの計画中止となっていました。
第二次大戦の時も4隻建造予定していた空母は2隻に減らされ1隻に減らされ空母に関する経験の無さからその1隻の空母も建造に手間取り日本から空母赤城の設計図を購入し参考にするなどしていましたが第二次大戦敗戦までに完成させることも出来ませんでした。だからドイツはこれまで一度も空母を持ったことがありません。
その時の未完成ながら唯一の空母は旧ソ連軍の進攻を懸念して自沈処分させました。
しかし旧ソ連軍はこれを引き揚げ手に入れました。
その後旧ソ連軍はこの空母はただの標的艦として処分したと公表しましたが実際にはくまなく調査し尽くした後に処分したものと考えられます。
その証拠として現在のロシア海軍空母には未完成ドイツ空母の考え方を踏襲しているところが色濃くあります。
第二次大戦当時実質的に空母を開発建造運用出来ていた国はイギリスとアメリカと日本だけでした。
イギリスとアメリカと日本の場合は空母戦力を機動部隊という考え方で運用していたため空母には航空機運用だけに専念させるような考え方で設計運用していました。
これに対し空母運用の考え方が異なっていたドイツ海軍では通商破壊戦を中心に考えており空母には航空機運用と同時に高い個艦防御能力を与えようとしていました。
つまり敵巡洋艦や駆逐艦と遭遇した場合も撃ち合いをして敵艦を沈められるだけの能力を与えようとしていたわけです。
1隻の空母としては航空機運用も出来て重武装という艦となっていました。
旧ソ連→ロシアの場合は通商破壊戦を念頭においているわけではありませんがどちらかと言えば大量のミサイルによる飽和攻撃を目指しているとは思います。
航空機運用の他にミサイルなどで必要以上に重武装している現在のロシア海軍空母は正に未完成ドイツ空母の孫みたいな存在なのでした。
添付資料はナチスドイツの未完成空母アドミラル・グラーフ・ツェツペリンの完成予想図。
旧ソ連が初めて建造した在りし日のV/STOL空母キエフ級(垂直離着陸機とヘリコプターしか運用出来ない艦。)の写真。
その後旧ソ連が建造して今のロシアに至る空母アドミラル・クズネツオフ(航空機運用専門に進化したように見えて実は前述のように飛行甲板下に垂直発射型対艦ミサイルを埋め込んであります。)の写真。
未完成ドイツ空母を真似た重武装が伝統的に見てとれると思います。 -
アドミラルクズネッォフが計画建造されたのは旧ソ連時代であり姉妹艦のワリヤーグも建造途中でしたが旧ソ連自体が崩壊したことにより建造途中で放置されていました。
それに目を付けたのが近年経済成長してきていた中国でした。
中国は旧ソ連の崩壊により経済的に困窮していた旧ソ連の構成国だったウクライナに近付きお金にものをいわせ1998年にスクラップ扱いとしてワリヤーグを購入。
購入時点では空母としては使わない港に固定して世界最大の海上カジノにするといって中国軍の息のかかったペーパーカンパニーに買い取らせました。
中国への回航途中国際的な条約のルール上空母は通過を許されない海峡などがありましたがこれも周辺国に対し中国政府が経済援助などを見返りに札束で頬を叩くかたちで無理矢理通過させ中国へ回航しました。
中国の大連に到着すると購入したはずのペーパーカンパニーはどこかに消え失せ購入時点での約束もどこへやら中国軍の指示で空母への改造が始まりました。
そしてこの船が2012年9月25日に就役した中国初の空母遼寧となりました。
搭載機は殲15(J-15)艦上戦闘攻撃機など旧ソ連製戦闘攻撃機などを勝手にコピーした航空機合計67機搭載出来るように大改造してあります。
ロシアの空母と同型艦なのになぜそんなに搭載機数が増えるのかというとロシア海軍の場合は空母といえども搭載機以外にミサイル類で空母自体を武装させミサイル攻撃も出来るようにしてあるのに対し中国海軍ではそのミサイル類を大幅に減らさざるを得なかった(ミサイル類の同時購入要望に対しウクライナ側が首を縦に振らなかった。)関係上そのぶん搭載機数が増やせたという単純なお話でした。
中国政府は中国初の空母遼寧を手に入れたことにより急成長を遂げた中国軍は更に強大になった覇権拡大に弾みがつくとして誇っていますが実質的には実験用の練習空母にあたると思われます。
一方売った側のロシアでは中国空母遼寧は我々が売ってやった船ではあるが同型艦であっても我々の空母アドミラルクズネッォフとは違いただの巨大な鉄屑だと酷評しています。
このロシア側の発言は一部には正しいですが船体自体は旧ソ連製でエンジンを含めいろいろな国のコピー品である装備品で搭載品をかためてあるのが中国空母遼寧なのでもしかすると高性能になっている面もないとはいえないかも知れません。
現在ではこの遼寧にそっくりの中国国産の空母も一隻進水まで完了しています。
添付資料はアドミラルクズネッォフと遼寧の比較写真資料二枚。
旧ソ連製を勝手にコピーした中国の艦上戦闘攻撃機と本家ロシアの艦上戦闘攻撃機の比較写真です。 -
外国の事例としてあげるとイタリアもドイツと同じく第二次大戦中に(1926年に就役の客船ローマを改装) 排水量23130/27800t規模の空母アクィラ(Aquila)を建造していましたが完成させることが出来ず運用した経験もゼロでした。
イタリアのこのやり方は特別ではなく世界各国で行われていた方法で大型の商船や客船は戦時ともなれば軍に徴用され空母へと改造され使用されるという事例は少なくありませんでした。日本の場合などは海軍が建造費の一部を出してやる代わりに戦時になれば船自体を海軍が徴用して空母へと改造して使用するかたちで日本郵船の客船から海軍の空母になった空母隼鷹などの事例があり一般的に話題として取り上げられることはほとんどありませんが今でも民間大型船の場合は同じようなかたちでいざ戦時になれば徴用出来るかたち(各種ネジ穴など予め改造し易いように作られている。)がとられているようです。
イタリアは第二次大戦後になって初めてジュゼッペ・ガリバルディー排水量10000/13850t規模などの空母らしき軍艦(ヘリコプター空母兼強襲揚陸艦)を建造保有しましたが戦後の日本に平和憲法による縛りがあるようにイタリアにはイタリアなりのお国事情がありイタリアの空軍法によってヘリコプター空母兼強襲揚陸艦は持っていてもそれに航空機を搭載して使用してはならないという禁止事項があり空母としての運用が出来ない状態でした。
その後空軍法によるこの縛りがナンセンスであるという議論がなされたのでしょう。
空軍法の縛りが改正され、するとすぐにハリアー垂直離着陸戦闘攻撃機の運用が開始され現在に至っています。
現在では新たに空母カブール満載排水量27100tが就役しジュゼッペ・ガリバルディーはヘリコプター運用の艦に戻されています。
搭載機はハリアー垂直離着陸艦上戦闘攻撃機が使われていますがいずれF-35B垂直離着陸艦上戦闘攻撃機に入れ替える予定になっています。
これは世界情勢を良く見て現実を直視し受け入れることは大事だという実例です。
添付資料は第二次大戦中に客船ローマを改装したイタリア海軍空母アクィラ(鷲の意味)の写真。
垂直離着陸艦上戦闘攻撃機ハリアーⅡを搭載したイタリア海軍空母ジュゼッペ・ガリバルディーの写真。
垂直離着陸艦上戦闘攻撃機ハリアーⅡを搭載したイタリア海軍空母カブールの写真。 -
↑でも第二次大戦当時の話としてイタリアの客船ローマを改造し建造していた空母アクィラの話を書き、日本でも同じような話はあったことを書きました。
またこのようなことはイタリアや日本だけのことではなく世界各国で行われていたという話も書きました。戦争に飛行機という物が登場したのは第一次大戦でした。
出現当初は敵情を偵察したり究めて少量の爆弾を落とす程度の使い道しかない兵器でした。
しかしそんな飛行機も時代の進展とともに進化を積み重ね爆撃機、攻撃機、戦闘機へと専門分野別に枝分かれしていきより強力な兵器へとなっていきました。
そんな経緯でしたから飛行機が戦争の勝敗を決定付ける存在になるなんて信じる人はほとんど居ませんでした。
例えば飛行機が戦艦を沈めるなんて有り得ない。などなど
これが世界中の常識となっていました。
長い間世界中の人々の間では大きな大砲をたくさん搭載した大きく強力な戦艦をたくさん持った国が一番強い国だと思い込んでいました。
しかし第二次大戦が始まり実際に戦ってみると陸でも海でも上空の支配権を握った国が勝利を手にするという結果が相次ぎました。
その結果を受けてそれまでは戦力として期待もされず実験兵器か補助兵器程度にしか思われていなかった空母に注目が集まりました。少なくとも第二次大戦の初期まで世界中の人々は飛行機より大砲だと思い込んでいました。
大艦巨砲主義に傾き過ぎていた日本もその代表国であり世界最強戦艦を目指した大和級戦艦がその象徴みたいな存在です。
それでも日本では幸いにも飛行機や空母の実力を見抜きその開発を支持する先見性のある人々が一部に居たため同時並行的に空母戦力の拡充も図られていました。
しかしミッドウェイ海戦で空母4隻と航空機360機前後を一挙に失ったことは相当な痛手となり日本の防衛のためには早急にこれを補う必要性に迫られました。
貨客船を改造して空母にする考え方はそれ以前からありましたがミッドウェイ海戦での大敗北はその考え方に拍車をかけることとなり軍の船、民間の船を問わず大型の船舶は空母に改造出来ないかという対象となり敗戦間際では重巡洋艦として建造中だった船まで急遽空母へ改造されたりしていました。
軍艦である空母に要求される能力はもちろん海上航空基地の役割である空母としての航空機運用が出来ること出来るだけ大きいこと機動部隊として使う関係上巡洋艦程度の高い速力(30〜35ノット程度)が必要とされていました。
貨客船改造空母の場合は出来るだけ大きいことと航空機運用能力は問題ないだろうと思われていましたが元が貨客船だと元々の速力が遅い(せいぜい20〜25ノット程度)場合が多く機動部隊としての行動能力は劣ることになりました。
イタリアの貨客船改造空母アクィラの場合は最大速度30ノットを予定していたそうですがなにぶんにも初めての空母だっただけに空母としての基本的能力には疑問符が付きます。
一方日本の隼鷹級空母の場合は世界的にも空母の誕生時期の最初から空母開発に努力していた日本が作っただけに空母としての完成度は究めて高く出来ていました。
日本独自の長年の研究による成果、右舷艦首寄りに配置された艦橋(俗にアイランドと呼ばれる島型艦橋)、艦橋と一体化され26度外側に傾斜させた煙突(正規に建造された装甲化飛行甲板を持つ空母大鳳や大和級戦艦3番艦から改造された空母信濃の艦橋と煙突の配置のための試験艦的役割も果たしていました。)や電波探信儀(レーダー)や高角砲や機銃の装備、エレベーターの配置など貨客船改造空母とは思えないほどの高い完成度の近代空母でしたが速力だけは遅くそれが唯一の短所でした。
添付資料は日本郵船の貨客船橿原丸(かしはらまる)の画像。
貨客船橿原丸から改造され空母となった隼鷹(じゅんよう)の写真。
空母隼鷹と大鳳と信濃の比較模型写真。艦上構造物の形状配置がそっくりです。
隼鷹級空母は隼鷹の他に姉妹艦(同型艦)として同じく日本郵船の貨客船出雲丸(いずもまる)から改造され空母になった飛鷹(ひよう)がありました。
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これらはすべて日本に対する防衛上のリアルな脅威以外のなにものでもない。
それが空想上の絵空事ではない今の現実であることを如実に指し示す証拠としてこれらのニュース報道が毎日のように流されています。
昔はごく一部の有識者のみが訴えている話でしかなく大多数の人々は突飛な絵空事のような話として片付けていました。
しかしこと今に至っては北朝鮮も中国も自分たちに出来る現実を実際の映像や画像で示して来る時代となっています。
今出揃っている事実から考えるといざ何かが起こった際には日本は確実にしかも簡単にやられてしまう可能性が非常に高いということが目の前に突き付けられている現実なのです。
日米安保があるではないかという人は多いと思いますが最近のニュース報道が示す通りアメリカにとっていざ何かが起こった時に一番大事なのはアメリカ本土の防衛なのです。
日米安保があるにしてもいざ何かが起こった時に日本の防衛が何番目の重要度になるのかは正直なところわからない怪しいというのが事実。
毎日のニュース報道はそれを動かぬ証拠として取り上げています。
ニュース報道の内容を注意深く聞いているとアメリカの本音が見えて来ます。
何を言いたいかといえばここまで悪化してしまった日本周辺の軍事的脅威から日本を守るためには話し合いなどは何の役にもたたず日本自身が強い国に生まれ変わる必要性があるということです。
今の時代に他国頼みなんて有り得ない話なのです。
話し合いの効かない国々に対し実効的な対応策とは何か?
それは日本も自前の技術と力で核ミサイルを持ち使える状態を保つこと。
いわゆる核抑止力です。
それを他国に頼るのではなく自分で持つ、最終的にはこれに勝る対応策は残念ながら無い。
これが現在の人類の限界なのも現実。
何百年経ってもお互いを信用出来ない人類は残念ながらお互いに核ミサイルを突き付け合いながら使用しないようにして平和を保つ。
これしか出来ない。
それも事実。
そう考えると核ミサイルすら自前で持てていない今の日本は非常に危ない状態なのです。
いつ消滅させられてもおかしくない国それが今の日本なのです。