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「ぶぅぅーん…」
私の動きが一瞬で凍りつく
「ぶぅぅーん…」
聞き間違いじゃない、スマホが振動していた。
しかも振動は一度で止まらず連続する
「ぶぅぅーん…」
扉の外がどれだけ騒がしくても
硬い床の上を直接振動して跳ねる
スマホの音は強く空気を震わせて
悪夢を見ているような背筋がゾワッとする感覚。
(お願いやめて!気付かれる!)
「ぶぅぅーん…」
どれだけ祈っても手を離れ操作できない
私のスマホは
持ち主の意思を無視して振動し続け
まるで母親にかまってもらえず
駄々をこね床を転げまわる拗ねた子供の様に
床を叩き続けた
「ん?なんか音しねぇ?」
気づかないで欲しいと祈る私の願いも虚しく
乱暴そうな男達の一人が気付き
「あぁ???中に誰かいるんかい?」
他の人達も気付き始めた
体を小さくして頭を抱え
(もうダメ!もうダメ!助けて!お父さんお母さん!)
涙を流して男達に見つかった後の未来に絶望し
恐怖する