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群を抜いて世界をリードする軍事技術を持ち続けて来たドイツですが全てにおいて時代のタイミングが悪かったのか第一次大戦の時代から空母戦力保有の考えは有ったものの計画中止となっていました。
第二次大戦の時も4隻建造予定していた空母は2隻に減らされ1隻に減らされ空母に関する経験の無さからその1隻の空母も建造に手間取り日本から空母赤城の設計図を購入し参考にするなどしていましたが第二次大戦敗戦までに完成させることも出来ませんでした。だからドイツはこれまで一度も空母を持ったことがありません。
その時の未完成ながら唯一の空母は旧ソ連軍の進攻を懸念して自沈処分させました。
しかし旧ソ連軍はこれを引き揚げ手に入れました。
その後旧ソ連軍はこの空母はただの標的艦として処分したと公表しましたが実際にはくまなく調査し尽くした後に処分したものと考えられます。
その証拠として現在のロシア海軍空母には未完成ドイツ空母の考え方を踏襲しているところが色濃くあります。
第二次大戦当時実質的に空母を開発建造運用出来ていた国はイギリスとアメリカと日本だけでした。
イギリスとアメリカと日本の場合は空母戦力を機動部隊という考え方で運用していたため空母には航空機運用だけに専念させるような考え方で設計運用していました。
これに対し空母運用の考え方が異なっていたドイツ海軍では通商破壊戦を中心に考えており空母には航空機運用と同時に高い個艦防御能力を与えようとしていました。
つまり敵巡洋艦や駆逐艦と遭遇した場合も撃ち合いをして敵艦を沈められるだけの能力を与えようとしていたわけです。
1隻の空母としては航空機運用も出来て重武装という艦となっていました。
旧ソ連→ロシアの場合は通商破壊戦を念頭においているわけではありませんがどちらかと言えば大量のミサイルによる飽和攻撃を目指しているとは思います。
航空機運用の他にミサイルなどで必要以上に重武装している現在のロシア海軍空母は正に未完成ドイツ空母の孫みたいな存在なのでした。
添付資料はナチスドイツの未完成空母アドミラル・グラーフ・ツェツペリンの完成予想図。
旧ソ連が初めて建造した在りし日のV/STOL空母キエフ級(垂直離着陸機とヘリコプターしか運用出来ない艦。)の写真。
その後旧ソ連が建造して今のロシアに至る空母アドミラル・クズネツオフ(航空機運用専門に進化したように見えて実は前述のように飛行甲板下に垂直発射型対艦ミサイルを埋め込んであります。)の写真。
未完成ドイツ空母を真似た重武装が伝統的に見てとれると思います。