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地下深く誰にも声が届かない
地下下水道合流点…

汚水が顔に常時かかる滝水の下に
太い鎖、頑丈な鉄枷で
コンクリ打ち付けの鉄杭に首、腕、腰、脚をガッチリ
逆さまに繋がれ
有刺鉄線で全身をぐるぐる巻きにされて

誘拐され繋がれた女性は苦しげに
ジャラジャラと吊られた鎖をぶつけ鳴らし
アプアプと時折できる苦しい息を繰り返しながら

来もしない助けを求め激痛と苦しみに
悲鳴を上げる

身代金が払われなければ
彼女の拘束された場所は誰にも伝えられない

身代金が払われなければ
彼女が開放され地上の美味しい空気を
胸いっぱい吸い込める日は二度とこない

この薄暗い地獄で誰にも知られず
最後の時を孤独に迎える

身代金が払われなければ…

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第2章
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前回、手酷い失敗を受けて
自縛失敗に対する強い恐怖を
トラウマとして植え付けられた私
でもあの失敗は私に忘れえぬ強い快感をも
残していった。

その依存性が強い恐ろしい麻薬は
気付かぬうちに
さらなる窮地へと甘い香りで誘い
罠にかかった獲物を絡めとって
地獄へと追いやる魔性の花に
私の中で着々と大きく育ちつつあった

そして子どもというのは忘れやすいもの
同じ過ちを何度も繰り返し
身を持って学ぶのが愚者の業なのだと

今回も学ぶことに…

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ブログに何気なく書いた、私の
あの日の失敗は一部の視聴者にとても受け
「幼い容姿で思いもよらない
過激な事してて笑wグッジョブ!」
「自縛はのめり込むと、とても気持ちいいが
反面、とてもトラブルに巻き込まれやすい…
程々になw」
などメッセージを貰った。

そんな中、ブログサービス内で知り合った
一人の外国(?)のお姉さんと
とても仲良くなった

お姉さんのHNは「ミグ(Migu)」

※ブログの自動翻訳機能である程度
外国語も通じて、文通できた
※実際に会って会話したらやっぱり
言葉通じないかも???

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外国の視聴者さんは稀で、そんなに多くなく
言葉も通じないので大抵は2 - 3回の会話で
連絡も途切れる事が多いけど

このお姉さんは日本語がとても上手で
エッチな事にも詳しくて色んな事を
包み隠さず丁寧な対応で教えてくれるので
とても好きになった

海外のボンテージファッションとか
日本より進んだ性の知識やタトゥー
酒場であったという
ちょっと変わった笑える人の写真とか
外国らしいジョークに満ちた
面白おかしい生活に憧れた

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そんなある日、お姉さんから
「私は近く、日本行きます。
その時、親愛なるアヤメにプレゼントしたい」
と申し出があった

仲が良くなったとはいえ
顔も知らない大人の人に初めて会うのは
ちょっと怖くて
だからといって引き籠りがちな私には
一緒に付いて行ってくれる頼れる友人もいない

悩む私に
「私も直接はドキドキです」
「なので会わずに宝探しゲーム準備します」
「指示に従って探してください」
「駅は何処が近いですか?」
と気を使ってもらい
やっとその段取りがついた

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メールとブログ内の掲示板でしか
話した事がないお姉さん

やり取りで得た写真に写る
カメラを持つ手や、お気に入りだという服。
立ち寄ったというお店の窓に反射した
本人らしい首より下の容姿、話し方などで
確かに女性の人なのだろうとは思ってた

でもネット上の情報は偽装できると
私もなんとなくは知っていた

だから最初の指示に従うときは
一応用心して
指示されたベンチに近づく前に
たまたま寄ったふうに装って
周囲を注意深く観察した

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周りには危険そうな雰囲気はなくて
唯一、杖をついた少し気難しそうなお爺さんが
連れてきたらしい子供に手を引かれて
相手するのに疲れてるみたいだったけど

それ以外は近所の若い子や
その保護者だけにみえた

ベンチに近づいて座ったけど
特にこっちを見ている人はいない
本当にミグさんは
直接会うつもりではないらしい。
気配は感じない

それを確認して指示通り
「公園入口のベンチ」を確認した。

座る所の裏にメモが見つかり
そこに書いてあったパスワードで
事前に教えてもらってた特設ページで
次の指示を確認できた

「そこから見える範囲内のゴミ箱の蓋を見て」
ヒントは大抵、こんな感じで
対象が多過ぎたり行って色々確かめないと
具体的にはどこにどう隠してあるのか
わかりづらい時もあった

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自販機の取り出し口の中とか
電柱や噴水にハメこんであったり
木の高い所に引っかかってる風船や
遊具の下のどこかに埋められている
ガシャポンケースの中など
隠し場所は色々で

背の低い私には届きにくい場所だったり
いろいろ工夫しないと取れなかったり
男子トイレの照明のトコロなど
人がいると恥ずかしくて入りにくい場所も
たまに指示された

そして二度目の男子トイレ
清掃具置き場の中で
驚くべき指示を受けた

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人の出入りが少ないと言っても
なかなか入るタイミングはつかめず
いざ意を決して近づいても
そんな時に限って
トイレを利用しようとする人が
数人いる

困るのは数人はいった筈なのに
1人だけでて残りが
なかなか出てきてくれない時

もし入ろうとして
実は中に人がいたらどうしよう

そう思うと
なかなか勇気をだして入れない

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でもここで、いつまでつまずいても
仕方ないし…

人が残っていない事を祈りながら
私は思い切って
果敢に男子トイレに突入した

幸い、中に人は残ってない?
ドキドキして
物珍しげに隅々まで見て回る
精神的余裕はなく
おっかなびっくりしながら
今の内にと早速指示がある
清掃具置き場を探してみた

上の棚に小さな袋に入った
布袋とメモがすぐに見つかり
ホッとした私は
男子トイレの外に出てから
落ち着いて改めて中身を確認しようと

清掃具置き場から出ようと思ったら
扉が開かなくなっていた

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奥の方から
洋式便器、洋式便器、清掃具置き場
その先に手洗い、鏡と出入り口

簡易的な内壁が続くトイレ内は
通気性を配慮して
天井と各内壁の間、高い上の方に
20cmほどの隙間があるけど
背の低い私には助走もなく
その高い内壁をよじ登ってあがれるほど
低くはなかった

実質、扉が開いてくれないと
中に閉じ込められて自力で出ることも
できない

私は慌てた

男子トイレの中だから
まさか声を上げて周りに
助けを求めるわけにもいかない

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出れずに困っていると
突然、慌てたふうの男の人が駆け込んで来て
隣の個室に入ってきた

「ブゥ!ブリブリブリッ!グリョリョリョリョ!」

物凄い排泄音を響かせて隣の部屋でンコしている
臭いも酷い
私は耳をふさいでしゃがみこみ、必死に耐えた
女の子にとってこれほど耐え難い事は早々無い

アヤメもお腹を下せば、こんな日はある
しかし他人の、とくに異性の放つ
遠慮無しの排泄音と臭いを
すぐ側で聞かされるなんて!

しかも、そこから逃げられない

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「ふぅー!マッジやばかったわー!
絶対漏らすと思ったーw」
心からの安堵の声も
排泄音を聞かされた方には
嫌味にしか聞こえない

(早く出て行って!もう二度と来るな!)と
涙目になりながら滅びてしまえ!と
本気で相手に呪いをかける

まさか男性トイレの清掃具置き場に
まさかの女の子が隠れていて聞かれていたなど
微塵も考えてなかった相手にしてみれば
随分、理不尽な怒りだが

お年頃の女の子には
それはしようのない事だった

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とにかく早くここから出る方法を考えないと
あと何回こんな思いをしないといけないのか…

「コンコン!」
(え?!)
出る方法を必死で考えてたら
いきなり先ほどの爆音排泄男のいる隣の個室から
ノックされビックリして心臓が飛び跳ねた

「…」

なんですか?
とノックに返せるわけもなく
息を殺して誰もいないふりをすると
「すみません、トイレットペーパーを
とってきてもらえませんか?」
すまなそうにお願いされる

「…」

なおも無言を続けると
反対側の個室にもノックとお願いを
しているみたいだった

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