• 103名無しさん
    2016/08/05(金) 21:23:30 ID:k.HpwSWQO
    こうして眺めて見るとアメリカのノースアメリカンF-86Fセイバー戦闘機の派手なマーキングと豪華な装備品類とは対照的にソ連のミコヤン&グレビッチMiG-15戦闘機の必要最小限の装備しか搭載しない質実剛健さが伝わって来ます。
    キャノピー(風防)の大きさの差にも表れているようなアメリカ人とロシア人のお国柄。
    贅沢品を装備するのが好きなアメリカ人。
    質素でシンプルなロシア人。
    このニ機種は朝鮮戦争当時としては最新鋭のジェット戦闘機でした。
    どちらも最大速度はマッハ1に届くか届かないか程度でした。
    世界的に戦闘機開発のこの頃のトレンドは音速に迫ることでした。
    ナチスドイツの先進技術の一つだった後退翼を取り入れたのはそれを達成するためでした。
    プロペラ機よりも更にスピードを上げるためジェットエンジンにして後退翼を導入しましたが更にスピードを上げて音速を超える超音速を達成することが次の世界的トレンドになり世界各国が工夫を凝らし競い合いました。
    更にスピードを上げるためには空気取り入れ口に工夫を加える必要性が出て来ました。
    空気取り入れ口の開口面積を可変させ吸入空気を効率的に圧縮させるということでした。
    この頃に可変式の空気取り入れ口が考えられ大きく分けて二種類に分類され一つは可変式ショックコーンを設ける方法もう一つは可変式ランプを設ける方法でした。
    ということでジェット戦闘機は空気取り入れ口の構造を見ればだいたいどれくらいのスピードを目指して作られた戦闘機なのかが判別出来ます。
    可変式機構を持たず固定式のものはマッハ1〜1.5前後しか出せません。
    何等かの可変式機構を持っているものはマッハ2〜3程度までは出せるものがあります。
    朝鮮戦争の次の時代、ベトナム戦争時代に戦い合ったアメリカ製戦闘機とソ連製戦闘機の代表格アメリカのマクドネルダグラスF-4ファントムⅡ戦闘機は可変ランプ式機構を採用しソ連のミコヤン&グレビッチMiG-21フィッシュベッド戦闘機は可変式ショックコーン機構を採用していました。


    ・ダンプカーのように大きくゴージャスな作りだったアメリカのマクドネルダグラスF-4ファントムⅡ戦闘機の写真。この大きさにより搭載出来る爆弾も多かったため戦闘機でありながらも爆撃機のような使い方をよくされていました。


    ・ソ連のミコヤン&グレビッチMiG-21フィッシュベッド戦闘機の写真。(注意:写真の機体はベトナム空軍機ではありません)大袈裟な作りのアメリカ製戦闘機とは対照的に小型で小回りの効く戦闘機でありシンプルで簡便な作りだったためあまり技術を持っていない中小の国でも受け入れ易く運用し易いとして歓迎されました。


    を貼ります。


    アメリカ軍はこの戦いで小型で小回りの効くミグ戦闘機に翻弄される(ベトナムのパイロットたちは小回りの効くミグ戦闘機の特性を活かし自国上空の亜熱帯の雲を活用して隠れ突如現れ攻撃してまた雲に隠れる戦法を繰り返しアメリカのパイロットたちを苦しめました)ことが多かったため、これからの時代の戦闘機はミサイルや爆弾のプラットフォームであり機銃などは時代遅れだからもう要らないと考えていた考え方を根本から見直すことになり戦闘機本来の運動性重視の方針でF-14トムキャットやF-15イーグルやF-16ファイティングファルコンを開発することになりました。
    映画で有名になったトップガンスクールみたいなもの(仮想敵部隊アグレッサー部隊を作り模擬空中戦を行う)を作るようになったのもベトナム戦争での苦い経験が理由でした。
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