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ゆっくり、ゆっくり開かれていく扉を
まるで映画でも見ているような他人事のように
現実感のない視点で見ながら
開かれた扉には誰もいない
怖い人達が私に近づく筈がないと
現実逃避し続けた

でもいくら都合よく現実逃避し続けたとしても
神様は残酷で、変えようのない事実に対しては
奇跡をなしてくれない

「なんでガキが、こんな所に???」
見つけた予想外の邪魔者の正体に
呆気にとられる男達

恐怖にふるえる視線を向け
小さく縮こまり動けずにいる小動物を前に
どーしたものかと4匹のオオカミは
獲物の小ささに顔を見合わせる

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たとえ獲物が小さくとも獲物は獲物だ。
ずる賢いオオカミ達が
ただこのまま開放する事はなかった

早速、値踏みと分け前分配に
ヨダレを垂らしながら
捕らえた小動物をツンツン、クンクンと
軽くいたぶりつつ
己がどこに噛み付くか

最も美味しそうなトコロを仲間より先に
かすめ獲ろうと
無駄なあがきをしようとしている小動物に
こっちにおいでと甘い声をかける

「どーしたの?入り口間違えた?ここ男子便所だよ?」
「可愛いねぇ。どこの学校?」
「そんな奥に縮こまってないでこっちに来なよ」
「女子便所混んでて借りに来たの?
使い方がわからないなら
お兄さん達が優しくエスコートするよw」

出来るだけ逃げようと八方塞がりの穴の中に
それでも潜ろうとするソレに爪を伸ばし
引っ張り出そうとオオカミ達は狭い入り口に殺到した

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どちらを向いても壁しかなくて
唯一でられる扉には乱暴なお兄さん達が殺到している
「こんな所で何してたの?」
「お兄さん達がブリブリひり出す音聞いて興奮してたの?」
「可愛い顔して痴女さんなんだねw
そんなに見たいなら見せてあげるよw」
「こっちにおいでwお兄さん達は優しいよw」

縄張りに入り込んできた愚かな獲物に
今からおこる悲劇は自業自得と言いながら
鋭く研いだ爪を伸ばす
「こんな所に一人で入ってきたら
何がおきるかわかってたんじゃないの?」
「恥ずかしがらなくても望んでた事一杯してあげるよ」

そんなつもりで入ったんじゃない!と
心の中で反論しながら
実際、ここに入ったのは不純な理由。
結局はそーゆー人達と私も同じなのだと
愚かな自分を見抜かれ辱められて

「つ か ま え た w」
ついに爪が届いた、それを
さらに牙が届く範囲に引っ張り出そうと
グイグイ力任せに引き寄せる

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「いっ…!」
強く抵抗し
断末魔の悲鳴を響かせようと口を大きく開いた時
「ドガンッッ!」

直後、口を押さえつけられ
足が浮き上がるほど後ろの壁に高く持ち上げられて
私は軽々、壁に叩きつけられた!

「叫んだら…、お兄さん達が
どれだけ興奮するかわかってるよね?」
「可愛い顔が二度と鏡見れないくらい
醜く歪んじゃうよー?」

ふるえが止まらず、声も出せなくなった
逆らえば何をされるかわからない

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